サーペンティン。
日本名は蛇紋石(じゃもんせき)。
※画像はウィキペディアより
白く不透明なこの石はヘビの紋様を持った石ということなのだけれど、
私はなんといってもサーペンティンという名前が好きなのだ。
だって、サーペントですよ、サーペント。
ザ・サーペントとすれば「西洋の古きヘビ」。ようするに悪魔のことなのですよ。
中世から近世にかけてはドラゴンと混同されていたり、東洋では竜だと思われていたりと、
なかなかうまく伝わっていないのですが、よくぞ日本人はこの石に蛇紋と名付けてくれました。
わかっているじゃないですか。名前をつけた学者さんはこの石の神話的本質を
理解していたに違いありません。
そうでなかったらこんな名前付けない。
そう、サーペンティンは神話を具現化させた石なのです。石になった悪魔なのです。
んー、かっこいい!
※画像はウィキペディアより
語源はもちろんラテン語。
サーペントの語尾に「ine:イン」をつけてサーペンティン。
正確なことはわからないのだけれど、この「イン」というのはギリシャ語で「~に似た」とか
「~の性質を持つ」という意味らしい。
現代では「ite:イト」と付けることになっているけれど、「イン」は
歴史的伝統的なものなのかもしれないね。
コーネルピンとか、スペサルティン(満礬柘榴石:まんばんざくろいし)とか、
トルマリン(電気石:でんきせき)もインだよね。
さて、サーペンティンのかっこよさをわかってもらったところで、それはどういう石なのか。
まず、サーペンティンは地下深くでできる深成岩であること。
それが、地殻変動などで地表に現れる。
※画像はウィキペディアより
だから、サーペンティンのあるところには必ず近くに断層がある。しかも巨大な断層。
日本でもっとも有名なのは新潟県から静岡県に走るフォッサマグナ。
フォッサマグナというと新潟県糸魚川市から富山県朝日町の海岸でヒスイを
見つけることができるのは有名な話で、
私も富山県に住んでいたときにはさんざんヒスイを探しに行った。
今思うとたくさんありましたよ、サーペンティン。
いや、たくさんどころではなく、いくらでもという感じで。
見た目は濃くて深い緑とちょっと黄色っぽい白い部分の混じっている石で、
ヌメッとした質感。でも触ってみるとサラサラでツルツルな感じの石。
マンガンと鉄を主成分にしているから、この白っぽい部分がサーペンティン。
でも、海岸に落ちていたものはほとんどが緑だったな。
たぶん、白ければ白いほどマンガンが多く、鉄が増えると緑っぽくなってくるんだと思う。
ところで、むずかしいことはパスするんだけれど、この石は本来、
橄欖石(かんらんせき:ペリドタイト)とか輝石(きせき:パイロキシン)が
蛇紋石化作用(じゃもんせきかさよう:サーペンティニゼーション)をという作用を受けて作られている。
それで、その過程でアンチゴライト、クリソタイル、リザーダイトという3つの鉱物が作られ、
混じり合っている。
この3つの石は肉眼でまったく区別がつかないことから、ひとまとめでサーペンティンと呼んでいる。
サーペンティンはこれら3つの鉱物が混ざったものをいっているんだ。
それでも、必ず均等に混ざっているわけではなく、偏りがあって3つの内のひとつが
単独で存在している場合もある。
その中でもとくにクリソタイルが単独になったときにけっこうおもしろい鉱物ができあがったりする。
クリソタイルってとても繊維状になりやすく、そうなったものが石綿(いしわた:アスベスト)。
最近のものには書かれていないけど古い文献にはサーペンティン・アスベストって書いてある。
この繊維状になったクリソタイルに石英が染み込んだものをヒスイを探しに行ったときに時々見つけた。
何とこれがタイガーズアイとかホークスアイにそっくり。
違うのは緑をしているってところ。
黄色ければタイガーズアイ、青ならホークスアイ。緑だったら何アイっていえばいいのかな。
それこそサーペントアイだとすんごくカッコイイかも。
しかも、波に洗われて研磨された状態で海岸に転がっているから、
お店で売られているものがそのままそこにある感じ。
いつかヒスイを探しに行かれることがあったとき、ヒスイばかりに目を奪われていては行けませんよ。
サーペンティン、そしてサーペントアイ(仮)もけしてお忘れのないようにね。
※画像はウィキペディアより
それにしても、もう一年が過ぎちゃいますね。
2012年。マヤの予言はどうなるでしょうか。
っていうか、さんざん煽っていた○○とか○○とかはどうするんでしょ。
「ささ、次、次」って感じで次の予言にいっちゃいますかね。
楽しみです、フフフ。
来年の干支はヘビ。巳年です。
もしかするとヘビに由来するサーペンティンがあなたに悪魔の力を与えてくれるかもしれないよ。
うー、かっこいい!
そんなわけで、少し早いですが、ステキなクリスマスを。
そして、良いお年をお迎えください。