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地球のかけら

【第60回】レインボー水晶

2010年2月 1日

2009年7月頃に突然登場したレインボー水晶。みなさんはもう手にとってその七色の輝きを確認したかな?

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一見カクタスクオーツのように見えるのだけれど、ひとつひとつの結晶に光を当ててみると結晶面が七色に光る。

パワーストーンでは結晶の中に入ったクラックに光が干渉して見えるものをレインボーっていうけど、これは結晶の表面が光ってるんだからそれとは違う。

このレインボー水晶、水晶といわれているにもかかわらず、最初、水晶だと思わなかったんだよね。もちろん形は水晶なんだけれど質感が水晶っぽくない。
なにかちょっとロウみたいな光沢で滑石(かっせき:タルク)? って思うような質感。
光り方もムーンストーンかアポフィライト(魚眼石:ぎょがんせき)あたりに見えたし。
でもね、やっぱり水晶なんだよね。
まだ見たことのない人はぜひ手に取ってみてください。きっとすぐにこの不思議感を共有できるはず。

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で、この不思議感の原因は何か。
たぶんこの水晶、表面に何かがコーティングされているんじゃないかと思うんだ。
薄い透明な何かがコーティングされ、それが光の干渉を起こしている。
そうでなければ質感が変わるなんてことあり得ない。
 
水晶の結晶面に何かがコーティングされるということは比較的よくあって、ほとんどの場合は酸化鉄。鉄錆のことなんだけど、そのせいで真っ茶色になっていることもある。

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アクアオーラってそれを人工的に再現したもの。
水晶などに人工的に金属鉱物を蒸着コーティングしたもの。
あくまでも人工物だけど、信じられないほど美しい青や赤の水晶クラスターが作られている。

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aura2(wiki).jpg
※画像はウィキペディアより

このアクアオーラよりも天然のものはさらに薄くコーティングされている場合があって、それらは結晶面が七色に光っている。
レインボー水晶はこの光り方にそっくりなんだよ。

tennen.jpg

しかし、金属の場合はとりあえず赤とか青とかがベースにあって、その上で七色に光っている。
それに対しレインボー水晶はベースが無色。金属でない何か別の鉱物がコーティングされているような感じだ。
きっと特殊な天然アクアオーラで決まりかな。


ところが、よくよく結晶を眺めてみると、表面だけでなく結晶の内側でも七色に光っているじゃあーりませんか。
内側にコーティングするのはいくらなんでもムリ。天然アクアオーラ説は早くも崩壊か?

そこで私は考えた。
これはもしかしてファントムなんじゃないだろうか。
ファントムとは山入り水晶ともいって、成長が止まった水晶に他の鉱物などが降り積もり、その後それを覆うように再び成長した水晶のこと。
水晶の内側に水晶がある不思議な水晶。ときには何段も重なっているのものある。

fant.jpg

結晶面に何かがコーティングされその後再び成長するということを少なくとも2回以上繰り返した水晶。それがレインボー水晶なんじゃなかろうか。
内側と外側の輝きが重なってムーンストーンのように見えたのかもしれない。

天然アクアオーラのファントム。

これがレインボー水晶の正体だ!

うーん、まだ何にもわかっていない水晶だから大胆にも仮説を考えてみたよ。


さて、このレインボー水晶、2009年にインドで発見された。
2009年なんて書いているけど、それ去年だよね。1年も経っていないんだよね。
名前だってちゃんと決まっていない。この記事では便宜上レインボー水晶って書いているけれど、他にも虹色水晶とか遊色水晶とか呼んでいるところもある。
ホントに見つかりたてのホヤホヤ。

「だから」なのかかわからないけれど、かなり値段が張る。
クラスターならば小さくても最低1万円から。ちょっと大きめで透明なものになると10万円を軽く超えている。

とんでもない金額なのだけど、実のところ私はこれが底値なのではないかと密かに思っていたりして。
普通、出始めは高くて後にどんどん値がこなれていくのが一般的。でも、希にそうならなかった石もあるんですよ。
たとえばパライバトルマリン。
1989年、それまでになかったネオンブルーのトルマリンがブラジルのパライバ州で発見された。
初めは良質の石が大量に供給されていたのにわずか1年で枯渇。石の品質は落ち価格は10倍になった。

レインボー水晶はどうかな? 昨年発見されたばかり、現在じゃんじゃん採掘している。しかも産地は世界中でインドのアジャンタ鉱山1ヶ所のみ。
パライバトルマリンほど極端ではないにしても、1年後には枯渇、閉山してしまっている可能性が大ありなのだ。
ちょっとでも気になっている人は今のうちに手に入れておいた方がいいかも。

(注意)あくまで私の個人的な予想ですので、外れてもクレームはナシね。


レインボー水晶については今現在大急ぎで研究がなされているそうだ。
コーティングされているものは何なのか。内側コーティングの秘密は? そもそも本当にコーティングなのか。

2010年中には分析結果が公開される予定。
それまで、いろいろ考えてみるのもきっと楽しいよ。

 

 

 ※レインボークォーツはこちらからもご覧いただけます。


 

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