皆既日食という夏休み最初のビッグイベント。みなさんご覧になられましたか。
私たちの住んでいる富山県では約70パーセント太陽が隠れただけでしたが、それでも十分楽しめました。
次は26年後の2035年っていってますけど、それよりも早い2012年5月21日には金環食(きんかんしょく:金環日食ともいう)があります。
金環食とは皆既日食と基本は同じなんですけど、月の方が太陽より若干小さい。それで月が太陽を隠しきれず、まるで金の結婚指輪を横から見たように太陽の輪郭だけが残される現象。
※画像はウィキペディアより
2012年はわずか3年後。日本列島をほぼ縦断しますから、ぜひお見逃しなく。
さて、8月になって夏休み本番。
採集にも力が入るぞ! っていいたいところなんだけど、今年は春にカミさんが靱帯を痛めちゃったから、ほとんど採集に行けてないんですよ。
まともに採集に行った最後がゴールデンウイーク。岐阜県中津川市ちんの峠の煙水晶。
その後もちょっと良くなったかなーって思ったところで近場の産地には行っていたんだけど、その都度ちょっと悪化していまだに完治していない。
靱帯を傷つけたときの最良の治療法は「動かさないこと」なんですって。
まあね、わかっているんですよ。採集に行くから治らないんだって。でも、ガマンできなかったんだもん。
「しょうがねーなー」って笑ってくださいませ。
それでも、ちんの峠では私たちにとって大きな収穫があったのだ。自分のブログでもちょっと書いたんだけど、今まで持っていなかった双晶を見つけたのですよ。
ドフィーネ式双晶。
一見してたんなる煙水晶。
でも、これが双晶だったんですよ。
普通、双晶っていうと日本式双晶とかエステレル式双晶のハート形を思い浮かべるでしょ。
でも、双晶ってそれだけじゃなかったのです。もう一度ドフィーネ式双晶の写真を見てください。
柱面の右上に三角形の面があるでしょ。ちょっと光っている面。
パワーストーンではこういうのをマスタークリスタルっていうよね。
鉱物的にはこれが右側にあったら「右水晶」、左にあったら「左水晶」と呼ぶんだけど、普通この面は一面おきに現れる面。
ところがよく見ると、小さいけど隣の面にもあるんですよ。右隣にも左隣にもある。
これは1つの結晶中心軸を2つの水晶が共有している証。
んー、なんか難しいな。ひとつの水晶に別の水晶が憑依している感じ?
とにかく、紛れもない双晶の証拠なんです。
あーっ、そこのあなた。
「日本式に比べて地味!」 なんていっちゃヤダ。
まず、この面自体がなかなか現れない珍しい面なんだから。
それが六面全部にあるんだから十分貴重でしょ、でしょ、でしょ!
さあ、みなさん。自分の持っている水晶を調べてみてください。
双晶があるかもしれませんよ。
というわけで、この双晶を採集したちんの峠、夏休みのイベントのひとつとして水晶採集に出かけてみてはどうでしょう。
岐阜県だから中部地方に住んでいる人じゃないと簡単にっていうわけにいかないけど、機会を作ってでもいってみる価値はありです。
今、自分の立っている足元から出てくる水晶。石ってキレイなだけでなく46億年にもわたる地球の記憶の断片なんだってこと。そして私たちもその一部であるってことが実感できます。
でも、ひとつだけ注意。
山は多かれ少なかれ必ず危険が潜んでいます。忘れずそれなりの服装をして行きましょう。
そして絶対に一人で行ってはいけません。
万が一何かあったとき、一人ではどうしようもなくなっちゃいますからね。
だからこそ、ちんの峠がお勧め。なぜなら大勢の人が来ているから。
ゴールデンウイークに行ったとき、家族連れでいっぱいだった。
どのくらいいっぱいだったかというと、たこ焼きの屋台を出したら大もうけできそうなくらいいっぱいだった。
人が多いってことは「安心」なんです。安全でなく安心。もし何かあったとき助けてくれる人が大勢いるってことですから。
こんなに賑やかな産地はちんの峠以外私はほとんど知らない。
ところで、山は行けないけど海なら行くって人もいると思う。
砂浜はちょっと期待できないけど、砂利浜なら必ずといっていいほどメノウあたりは見つけられる。
海岸の石は波でもまれてツルツルになっているから、まるで絵画のようなしのぶ石(デンドライト)も見つかると思う。
しのぶ石 ※画像はウィキペディアより
写真は植物の化石ではありません。鉱物がしみ込んだ跡です。
これが石英に入っていたりするんです。それがピカピカに磨かれて海岸に落ちているなんて山ではあり得ません。海の特権です。
それでは皆様、ステキな石をお供に楽しい夏をお過ごしください。
私たちも靱帯のことは忘れて採集を楽しんできます(笑 ……いごとじゃない?)