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地球のかけら

【第45回】初日の出のような輝き。ルチル・イン・クォーツ

2009年1月 1日

あけましておめでとうございます。


平成21年、丑年。

本年もみなさまのご健康とご健勝をお祈り申し上げます。
さて、お正月にふさわしい石ということで、昨年は勾玉(まがたま)を紹介しました。

勾玉は日本の古代から伝わる由緒正しい石の形。

勾玉は日本という国がある限り永久にお正月にふさわしい石。いや、お正月どころか日本を象徴する日本人の心の石といった方がよりふさわしいのです。

というわけで、あらためてお正月と訊かれて想像することを考えてみた。

初日の出


どうだ!

大勢の人が初日の出を見るために、山の頂上に登ったり、寒い中徹夜して日の出をまっている。そして、パンパンと柏手を打ち一年の幸福を祈願する。初日の出は一年の象徴だ。


そして日の出とくれば、私は「ルチル・イン・クオーツ」を真っ先に思い浮かべる。
さーっと光が射し暗闇の大地を照らしていく。ルチルはまるでその光のようだ。
 

45_1.jpg

透明な水晶の中に黄金色の針が無数に入っている。その黄金色のルチルがそのまま太陽の光の矢のごとく輝いているように見えるでしょう。

ルチル(金紅石:きんこうせき)
その名の通り黄金色に輝く結晶。


「紅」はどこいった? っていう声も聞こえてきそうだけど、ルチルの大きな結晶は赤っぽい色をしている。
たぶん、本来の色は赤なんだろう。黄金に見えるのはあくまでも反射光。ルチルの小さな結晶は結晶面が非常になめらかだから、反射光で本来の色がかき消されているんだと思う。 

45_2.jpg


そして、そのルチル・イン・クオーツの中にもろ太陽を象徴するものがある。
その名も「太陽ルチル」。


ホントはもっと大きな声で、ドーンと叫びたいところなんだけど、私はそれを持っていない。
だからちょっと小さな声で、しかし力強く叫びたいと思う。

太陽ルチルは「ルチル・イン・クオーツ」の中でとくにすばらしい!!
水晶の中に黒い芯があり、そこから6方向の放射状にルチルが伸びている。それはもう「太陽の光の矢」が入っているどころではない。太陽そのものが入っているのと同じだ。

45_3.jpg

写真は太陽ルチルの中身。これが水晶の中に入っている。
黒い部分は一般的にヘマタイト(赤鉄鉱:せきてっこう)といわれている。
ルチルは双晶になりやすい性質を持っていて、このヘマタイトを母岩としてルチルが60°の角度で次々と双晶を繰り返していく。その結果が太陽だ。


ところで余談ですけど、この双晶の形の「*」型。けっこうよく見かける形なんです。とくに宝石店で。
スタールビーとかスターサファイアのあのスターがまさにこの形。中に入っている針状のインクルージョン(内包物)がスターの原因。

じゃあ、そのインクルージョンって何って訊かれると、ルチルなんですよ。宝石としてはルチルって出てこないけど、実はルチルがいないと成立しない宝石もあるってことかな。

45_4.jpg

でも、太陽ルチルのサファイアとかルビーっていうのはないなあ。


あらためてルチル・イン・クオーツの太陽ルチル。しつこいですけど私は持っていません。
なぜ持っていないか。

それは、値段が高いから。

ブレスレットだと20万円ほどもする。

いい物になると、ビーズ1個が4万円だったりしている。
でも欲しい! 小さくていいから1個は持っていたい。いつか必ず手に入れようと思っている。


そうだ、今年の目標はこれにしよう。

そしたら、毎朝、初日の出だ。

毎日が正月になる。

朝から酒飲んで……、ゴロゴロして……。
あ、ダメだ。すでに正月ボケしてる。

 

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