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地球のかけら

【第31回】クンツァイト

2008年6月 1日

「国産鉱物詰め合わせセット」のプレゼント企画にたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。
ただいま厳正なる抽選をおこなっておりますので当選メールを楽しみにお待ちください。

さて、プレゼントの中のひとつにあったレピドライトはとっても人気のある石ですよね。プレゼント企画のところにも書きましたけど、この石は宝石になっているトルマリンと同じ産地で見つかるんですよ。
いや、同じ産地でというのは不正確かな。
いい直します。
「トルマリンはこのレピドライトの中に入っているんです」

おおー!

もちろん必ず入っているとはいえないけれど、当選した人はぜひ探してみてくださいね。


というわけで、今回はレピドライトの話……ではなく、その中に入っている石について。

あれ? それってトルマリンでしょ。
って思いました? 思いますよね。でもトルマリンのことじゃないんです。トルマリンともうひとつ、誰もが知っている○○○O○○についてなのです。


クイズです。
この○○○O○○に当てはまる名前はなんでしょう?
(このパターン一回やったな)

ヒント1
○○○O○○は宝石名でカタカナ6文字です。

ヒント2
その名前は1902年に発見者の○○○博士にちなんでつけられました。

ヒント3
質のいいものは透明で淡いピンク色です。

ヒント4
多色性があり、見る方向で色の濃さが変わります。

ラストヒント
緑色をしたものはヒデナイトと呼ばれます。

 

正解はクンツァイトでした。ちなみに博士の名前はクンツ博士。

31-kuntaito(kesshoutate).JPG

 

31-kuntaito(kesshouyoko).JPG

 

クンツァイトはトルマリン、レピドライトと切っても切り離せない仲。兄弟・姉妹といってもいい過ぎじゃないくらい近い関係なのです。

どう近いかっていうと、日本名を見れば一目瞭然。
レピドライト ⇒ リチア雲母
クンツァイト ⇒ リチア輝石
トルマリン  ⇒ リチア電気石
そう「リチア」の部分が共通してるでしょ。

リチアっていうのは元素の名前でリチウムのこと。原子番号3番。「スイヘーリーベ」の「リ」。リチウム電池のリチウムなんですよ。
このリチウムを主成分としているところが同じなんです。

ところで、宝石が生まれるところは何通りかあるんですけど、その代表的なものにペグマタイトって呼ばれるところがあるんですよ。
マグマが地下深くで固まるときに、含まれていた水分やガスが1か所に集中して固まったところ。
宝石はそのペグマタイトで育つんですけど、リチウムを含むペグマタイトはとてもめずらしくて、日本に3か所しかない。たまたまリチウムを含んでいた場合、この3つの石が生まれるのです。


みなさん。
トルマリンとレピドライトとクンツァイトは地質学的にセットなんです。
三位一体ということで、揃えてみるのもおもしろいですよ。

 

31-pinktorumarin.JPGのサムネール画像

ピンクトルマリン

31-repidoraito.JPG

レピドライト

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おまけ:英名は正確に発音できない
リチアっていう名前なんだけど、本によってはリシア電気石とかリシア雲母とか「リシア」って書いているものがたまにある。

どっちが正しいんだろうって思ってフォッサマグナミュージアムの学芸員の先生に聞いてみたところ、「発音の違いでしょ。どっちでもいいんじゃない?」というお答え。
あらあら、それでいいの? って感じ。
そういえば、紫水晶も私はずっとアメジストと書いてきたんだよね。でも、最近はアメシストって「シ」に濁点がついてないことの方が多いんですよ。
発音の違いだからどっちでもいいっていえばどっちでもいいんだけど、語源になったギリシャ神話を見ると「アメシスト」なんだよね。濁点ついてないんだよね。

トパーズはトパズ、オパールはオパルとか、なんか違和感ありすぎ。
クンツァイトの鉱物名であるスポデューメンだって、スポデュミンとかスポジュミンとか本によって違う。
どれが本当? って悩んじゃうけど、結論としては「あんまり気にしなくてもいいんじゃない?」ってことで落ち着きそうです。
日本人なんだから英語の発音がうまくできなくてもしょうがないじゃんね。
アバウトでオッケー。

 

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