写真は桜石(さくらいし)です。
思いっきり桜の花びら模様、写真ではわかりづらいけど若干ピンクなんですよ。
この季節にピッタリの桜石、かっわいいでしょう!
え? 桜はもう終わってるって?
うう、すいません。ホントは4月の頭に紹介しようと思ってたんですけど、忘れてました。
でも、北海道あたりは今がちょうど満開くらい。だからギリギリOKってことで。
さて、英名でチェリーストーンとかセラサイトとか呼ばれたりもしてる桜石だけど、私的には日本語でしっかり「さくらいし」と呼んでもらいたいんだ。
なぜかっていうと、この石の唯一の産地が日本だから。
しかも京都。
おおー。
これで英名で呼ぶなんて野暮ってもんでしょ、でしょ。
ところでこの桜石、もともとはアイオライトだったっていうんですよ。
「ええーっ?!」
って声が聞こえてきそうだけど、私も初めてそれを知ったとき「うっそだー」って思った。だって、似ても似つかないもの。
アイオライトはサファイアよりもちょっと薄い青がきれいな透明な石、だよね。
それがなんで桜石になるのか。
アイオライトの結晶が長い時間をかけて分解していき、空いた空間に雲母(うんも:マイカ)が入り込む。すると、アイオライトの形だけを残した雲母ができあがるんだって。
それが桜石。
こういうふうにできた石のことを仮晶(かしょう)というらしい。だから、桜石はアイオライトの仮晶ってことになるのかな。鉱物的には単なる雲母なんだけどね。
写真のとおり、桜石はなんだかわからない形をしている。これの断面が桜の模様。金太郎飴のようにどこを切っても桜。雲母だからナイフでスッと切れちゃうよ。
桜石のことを書いたら、やっぱりアイオライトのことも書かないとね。
日本名を菫青石(きんせいせき:コーディエライト)っていって、名前のとおり菫(すみれ)色。
この石の最大の特徴は多色性があること。見る角度によって色が違って見える。
濃い青に見える角度から90°傾けてみると、モノによっては無色になってしまう。だから石好きとしては、多色性がハッキリしているものを選びたいところ。
アクセサリーになっている場合は色をハッキリ見せなきゃいけないから、多色性がわかりにくいのはしかたがない。
ハッキリわかるのはビーズとかルースかな。特にルースでは石好き人間のために45°傾けてカットされているものもあって、右半分は透明、左半分は青っていうのもある。
これからの時期、各地でミネラルショーが開催されるね。普段、めったにお目にかからない石とかがたくさん出品されるから目の保養にもなると思う。
大阪はちょっと前に終わっちゃったけど、新宿とか名古屋とか京都とか大都市では必ず開催されるから、ぜひ足を運んでみたら楽しいよ。
桜石も探してみてね。