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地球のかけら

【第6回】意外にも蛍光する石

2007年5月15日

前回、蛍石の特徴のひとつに「蛍光する」ってことを書きましたけど、蛍光する鉱物は蛍石だけじゃない。蛍石以上に強い蛍光性を持っていて、通常光でもキレイで、値段も高くなく、きっと誰もが知っているであろう石がある。
その石とは、意外かもしれないけれど、方解石(ほうかいせき:カルサイト)なのだ。

オレンジ、グリーンなど多彩な色を持っているこの石は、蛍石と違いどれもほぼ確実に蛍光する。
しかも、石によって違う色に蛍光する。白っぽくなるものもあるけれど、多くはピンクや赤の暖色系。

6-houkaiseki1tuujoukou.jpg

 

6-houkaiseki1keikou.jpg

 

中には燃えたぎるマグマのように真っ赤になるものもある。正直その迫力は蛍石以上。
お手元に方解石のある人は、どんな色に蛍光するのか、ブラックライトを当てて、その色にビックリしてもらいたいな。
ちなみに、ホームセンターで売られているブラックライトはパワーが小さいから、できれば鉱物専用のものがいいと思うよ。

さて、方解石には蛍光以外に、あとふたつ大きな特徴がある。
ひとつは副屈折(ふくくっせつ)という性質。何か模様の描いてある紙の上に方解石を置くと、その絵が二重にだぶって見える現象。これも変わった性質だから透明な方解石を持っている人は試してみてほしい。

6-hukukussetu(wikiyori).jpg

(画像はウィキペディアより)

そしてもうひとつは、劈開(へきかい)を持っているということ。
劈開とはある一定の方向に割れやすい性質のことで、前回の蛍石は4方向。方解石は3方向に割れやすい。
たとえばハンマーでどんどん細かくしていくと、みんな平行四辺形の面を持った同じ形で割れていく。
勇気ある人はチャレンジしてみよう。方解石も蛍石同様かなり弱い部類の石だから、ハンマーでポンと叩けば、簡単に割れる。あくまでも科学の実験であると自分にいい聞かせればできる、たぶん。


それではここで問題です。
Q1
真珠、珊瑚、鍾乳石、霰石(あられいし:アラゴナイト)、アンモライトそして方解石。これらに共通していることはなんでしょうか?

正解はこちら。
実はみんな同じ石。
見た目もぜんぜん違うこれらの石はみんな同じ成分「炭酸カルシウム」からできている。
このように同一のものであるにもかかわらず、違う形になることを同質異像(どうしついぞう)というらしい。「カルサイトとアラゴナイトは同質異像の鉱物です」というふうに使えばいい。
たぶん、できるときに何かがちょっと違っただけなんだと思う。そのちょっとの差でぜんぜん違うものになるんだから、ホント石って不思議だよね。


Q2

6-houkaisekitokeiaennkou1 tuujoukou.jpg

 

この写真の鉱物の中には珪亜鉛鉱(けいあえんこう)と方解石が含まれています。
それぞれどの部分でしょう。

正解はこちら。
 

6-houkaisekitokeiaennkou1 keikou.jpg


緑の部分が珪亜鉛鉱で赤が方解石。

激しいでしょ。うちのカミさんは「赤と緑の配色にウットリ」といっております。
私は……、ちょっとね。


- おまけ - その他の蛍光する石


6-weluneraito1 tuujoukou.jpgのサムネール画像

ウェルネライト通常光                  

 6-weluneraito1keikou.jpg

ウェルネライト蛍光

 

 

6-serenaito1 tuujoukou.jpg

石膏(せっこう:セレナイト)通常光                   

6-serenaito1 keikou.jpg

石膏(せっこう:セレナイト)蛍光

 

6-hakkumanaito1 tuujoukou.jpg

ハックマナイト通常光                          

6-hakkumanaito1 keikou.jpg

ハックマナイト蛍光

 


追伸
先日、石川県小松市にオパールと紫水晶(アメジスト)を採集しに行ってきました。
どんな石が採れたのか、はたまた採れなかったのか、ちょっと痛い出来事も交え、次回報告します。
 

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