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地球のかけら

【第2回】宝石を身につけ始めたのは○○時代から!

2007年3月15日

石と人間の歴史って凄いね。もう古すぎて何が何だかぜんぜんわかんない。
今のところ石を宝石として使ったもっとも古い文明は古代エジプトなのかな。ツタンカーメンの黄金のマスクに使われているラピスラズリ、トルコ石、カーネリアンがそれ。
でもさ、古代エジプトって遺跡でしょ。ピラミッドもスフィンクスも何のために作られたのかまったくわかっていない。つまり現代に継承されている文化がほとんどない。
日本でも古事記の時代にヒスイや玉の勾玉が作られていた。日本はほぼ単一民族だから勾玉の記憶がDNAに刻み込まれている感じもするけれど、古墳時代に途切れてから1500年以上のブランクがある。
現在、宝石だパワーストーンだっていうのは、すべてアメリカを経由してヨーローッパから入ってきたもので、一般的になったのは戦後のこと。
それなら、ヨーロッパにおける歴史はどんなんだって調べてみると、これがホントにわからない。どんな本を読んでもいつの間にか登場して、いつの間にか人々が身につけてる。
古すぎるんだなこれは。歴史が古すぎてハッキリしたことがぜんぜんわからない。

古いといえば、旧約聖書の「出エジプト記」に、誕生石の起源になった石の記述がある。
「祠祭の胸当てにはめる石にイスラエル12部族の名を刻め」という一節。継承されているという意味ではこれが一番古そう。

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そこに出てくる石は、ルビー・トパーズ・エメラルド・トルコ玉・サファイア・碧玉・レシェム石・瑪瑙・紫水晶・貴かんらん石・縞瑪瑙・ヒスイ。もちろん昔の記述だから、書かれている石が現在のそれを指しているとは限らない。
この出エジプト記は3500年くらい前の話だろうから、石と人間との歴史は少なくともこのころには始まってることになる。

聖書の時代が過ぎると、しだいに宝石は「旅のお守り」「命のお守り」「戦のお守り」として権力者が身につけるようになった。
その後中世に近づくと、戦いに勝利した者がその強さを示すために武器を宝石で飾るようになる。本来の機能を失った武具が多く造られるようになったのはこのころかな。スルタンの宝剣なんて、柄にでっかいエメラルドが何個もはめ込まれて握ることすらできない。

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最終的に宝石は王冠や笏(しゃく:王様が持っている棒)に使われ、家もしくは国の富や権力を象徴するものになった。ナポレオンも大きなリージェントダイヤモンドを柄にはめた剣を持って戴冠式に臨んでいる。ヨーロッパは今でもその意味合いが強い。

このように見ていくと、宝石は宗教的なものから始まり、パワーストーンとしてその歴史を刻んできたってことがわかる。
じゃあ、現在のように宝石が女性の宝飾品になるのはいつなんだってことになると、それは18世紀になってから。「誰がどこでどうやって」というのは、また次回。

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【第1回】宝石は採るもの!?旅のはじまり

2007年3月 1日
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宝石っていうと世間一般ではどんなイメージを持たれているんだろうか。
とにかくキレイなもの? セレブの持ち物? それとも、盗賊が盗むもの?

いずれにしても、メチャメチャ値段が高いというイメージがあることは間違いない。
ところで、先日「宝石、買った方が安い? それとも採った方が安い?」という企画をテレビでやっていた。宝石立国であるスリランカまで行って土地を借り、3日間そこを掘って原石を探すというもの。
最終的に約7万円の費用で鑑定金額16万円。「宝石は採った方が安い」という結論だったが、費用の中に飛行機代が入ってないやんけ! 往復のそれを入れたら赤字確実だ。
いやいや、番組に文句をいいたいわけじゃないんだ。スリランカまで行って宝石を探すなんて、私だって絶対やってみたい。
何をいいたいかっていうと、そもそもスリランカまで行くなんて「宝石は外国にあるもの」と思い込んでないかってこと。

ここでひとついわせていただきたい。
「あのくらいの宝石なら日本でも採れる!」
おおー、ビックリしてもらえた?
多少表現に誇張はあるけど、日本はダイヤモンド以外ならば、ほぼすべての宝石が見つかっているのは事実。さらに、日本ほど多種類の宝石が見つかっている国もかなりめずらしい。ほとんど知られていないが、日本は世界でも有数の宝石大国だったのだ。

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それならばなぜ日本産の宝石は出回らないのか。その理由は簡単。人件費が高すぎるため商業的に成り立たないのだ。
現在、宝石を採掘している鉱山は日本にひとつもない。ということは、足下にはまだ誰にも触れられていない無垢な宝石が眠ったままでいることになる。

私がそれを知ったのは結婚後のこと。カミさんが「石マニア」で、鉱物の話をやたらと聞かされるようになっていたからだ。
そんなある日、茨城県にガーネットの採れるところがあるとカミさんがいいだした。石のことなど何も知らない私は「そんなバカな」と思ったのだが、すでに行く気になっている彼女は興奮状態。私は彼女を拒否できるはずもなく、渋々車を走らせた。
林道の脇に車を停め、そこからわずか5分。山の中ならどこにでもあるような砂防ダムをちょいと越えたところがその場所だった。
しかしそこはたんなる沢。岩がゴロゴロしているだけで宝石の気配など感じない。とりあえず足下の土をシャベルですくい、フルイに入れ沢で土を落としそれをのぞき込んだ。
ああ、この瞬間が運命の分かれ目だった。
なんとそこにはワインレッドに輝くガーネットの結晶がいくつもあったのだ。

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以来、私たちは宝石の原石を求め全国を旅するようになった。今となってはカミさんより私の方がうるさいくらいだ。

さあ、宝石、パワーストーン、鉱物を合い言葉に石の旅に出かけよう。
石はおもしろいぜえ! って、それはみんな知ってるか。
 

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